2017年04月30日

東芝問題の深層

諫早湾干拓の潮受け堤防排水門開門差し止め裁判をめぐり、25日、国は控訴しないこと、つまり開門しない方針を明確に示しました。漁民切り捨ての長崎地裁の判決につづき、国によるこの反国民的な決定には怒りを覚えますが、少し資料を調べる必要があり、この問題は次回に取り上げることにしまして、今回は東芝問題の深層に迫りたいと思います。


東芝は子会社ウエスティングハウス(WH)が抱える、7000億円かそれ以上ともいわれる巨額損失を受け、存亡の危機に直面していますが、その危kodomo-bb3s.gif機を成長部門である半導体事業を分社化し、売却することで乗り切ろうとしています。東芝の半導体事業売却には、主に海外からの買い手が殺到していますが、ここにきて急に、経産省をはじめ経済革新機構や政策投資銀行などの公的機関が救済に乗り出しています。理由は、半導体技術の海外流出を阻止するためだという。


 しかし、日経の経済テクノロジーWEB版(2017/4/26)に掲載されていた服部毅氏の「東芝のメモリー技術、すでに自らの手で海外流出させている」によれば、東芝は、すでに25年も前(1992年)から韓国のサムスンに無償で半導体技術を供与してきたという。のみならず、東芝はその後も韓国のSK Hynix

(ハイニクス)社と次世代半導体メモリーの共同開発に乗り出し、今現在も多数の東芝の技術者が韓国に出向しているという。つまり東芝は自ら進んで、合法的に自社の技術の海外流出を進めているわけです。何を今さら、技術の海外流出阻止なのか!しかも驚いたことには、東芝がHynix社とメモリーの共同開発に乗り出す前に、東芝と提携関係にあったアメリカのSanDisk社の社員が東と芝の半導体技術を無断で盗み出し、Hynix社に持ち込んでいたという。東芝と提携し、半導体売却で東芝と争っているWD社はSanDisk社を買収して一体化していますので、WD社には東芝を批判する資格はない!と言いたい。


日本人社員でも札びらに膝を屈し、自社の技術を韓国のライバル企業に差し出す例もありますが、その危険性は日本人社員だけではないということです。時によっては、日本企業には何の愛着も感じていない他国の関係者ならば、危険性はさらに高まるのではないか。しかし東芝の場合は、こういう経緯がありながらも、自ら進んで韓国企業と手を組もうという志向が非常に強い。数年前には、サムスンと提携して、コンピュータの新しいOSの開発に乗り出しましたが、実現せぬまま、失敗に終わっています。おそらくこの事業でも、OSの開発には失敗したものの、東芝の技術と技術者はサムスンに流れたはずです。日本には、坂村健氏が世界に先駆けて開発したOSTRONがあるというのに、なぜわざわざ韓国企業と新しくOS開発に乗り出す必要があるのでしょうか。愚かとしか言いようがありません。


サムスンとの共同開発に失敗したからか、東芝は今度は、坂村氏の提唱するIoTに関する新技術に参入するらしい。(IT Leaders 2016/5/6 杉田悟氏TRONの坂村氏が主導するIoTの新たなプロジェクトが始動)昨年のことなので、このプロジェクトに参加している東芝マイクロエレクトロニクスは売却の対象になっているのかどうか。どうやらこの技術は半導体メモリーではなく、システム開発的なもののようなので、売却対象ではないかもしれませんが、おそらく東芝がこの新技術を製品化すると、その成果はまたもや韓国企業に流れることになるはずです。というのは、先に紹介しました服部氏の記事によると、東芝は、今後新型メモリーは韓国で製造を行うことにしているからです。この「東芝」は、公的資金で救済される予定の東芝ということなのか。とするならば、政府主導による、非常に恐ろしい売国的事態となるわけですが、この辺の事情は不分明ゆえに、疑問提示にのみとどめておきますが、東芝は今後も韓国企業と密に関係を持続させるということだけは明らかなようです。共同開発とは、日本企業から韓国企業への無償の技術移転と同義であり、両者の密な関係は特定部門にのみとどまるものではないことはいうまでもありません。


なお服部氏は、公的資金による東芝救済は愚策だと批判しておられます。おそらく当事者以外の誰もが愚策だと思うはずですが、政府も当初は公的資金による東芝救済を否定していました。にもかかわらず、なぜ救済に急転回したのでしょうか。この謎を解くカギも韓国にあり。


実は、東芝による、巨額な不良債権の塊であるアメリカ原発企業WH社の買収も、韓国企業が陰に陽に絡んでいるのではないかというのがわたしの見立てです。東芝はWH社の米国版民事再生法を申請するにあたり、東芝と技術協力関係にある韓国電力に支援を要請したことが大々的に報じられました。技術関係にあるということは、東芝は原発分野でも自社社員を韓国に出向させ、技術協力をしてきたということですが、韓国が受注したアラブ首長国連邦での原発建設でも、東芝はひそかに技術支援をつづけたはずです。


つまり東芝は、半導体、IT関連事業のみならず、原発分野でも韓国(国家及び企業)と非常に親密な関係を結んできたことが、この支援要請報道で広く知れ渡りました。東芝に対する公的支援策が突如浮上したのは、この報道後のことでした。日本政府のこの急変は、アメリカ政府からの圧力(働きかけ)があったからだとの専門家の指摘もありますが、むしろ逆ではないかと、わたしは推測しています。


底なし沼のように負債が膨らんでいきそうなWH社をどう処理すべきか。米国版民事再生法を申請して、仮に民事再生が可能となったとしても、そのWH社を誰が、どこが引き受けるかが問題です。申請した東芝が引き受けるのが筋でしょうが、東芝の本心は手放したいはずです。しかし引き受け手はどこにも存在しない。民事再生を経て、不良債権の塊のようなWH社も、再生前よりは身軽にはなるはずです。そこでかねてより技術支援をつづけてきた韓国に呼び掛けたということだと思われます。韓国は自力では原発建設ができないにもかかわらず、原発の海外輸出には積極的であり、韓国電力自身もWH社に関心をもっていたということらしいので、WH社の引き受け手としては最適ではないか。


WH社は韓国の原発第一号を建設した記念すべき企業であり、もともと両者の関係は深い。日本では三菱電機がWH社の原子炉を使っており、東芝と同時にWH社の買収に名乗りを挙げたそうですが、東芝が三菱の倍の買収額を提示したことで、三菱は買収を断念したという。三菱は、東芝が自社の2倍もの金額を提示したことに非常に驚いたそうですが、おそらく韓国電力は、自分のところでも買いたいなどと言って、東芝を煽り立てたのではないか。


東芝は巨額の金を積んでまでわざわざ自ら進んでババを抜いたわけですが、今度はそのババをどこに回すか。韓国なら、原発技術の外部流出を心配しているアメリカ政府をも納得させられます。


この事実を知った日本政府(安倍政権)は、韓国電力がWH社を引き受けてくれるなら、これ以上の解決策はないとばかり、それまでの姿勢を転換したのではないか。ただ、ババ抜きのババのようなWH社を引き受けるとなると、韓国は東芝や日本政府に対して厳しい交換条件を示すでしょう。東芝救済に、突如として公的機関が関与し始めたのはその結果によるものではないか。民間ベースで進んでいた半導体事業の売却に、民間資金も含むとはいえ、税金も投入し、技術の海外流出を阻止するという名目で公的機関が強く関与し、公的機関が売却先を決定しようとしています。


しかし半導体技術の海外流出阻止は、全く無意味であることは服部氏の指摘するとおりです。服部氏によれば、半導体事業は毎年数千億円の設備投資をしなければ生き残ることができないほど、技術の変化が非常に激しいという。毎年数千億円もの設備投資が可能な企業は、市場占有率の非常に高い企業以外には不可能です。東芝の半導体技術がいかに優れているにしても、持続的に数千億円もの設備投資をつづけることは不可能です。また、公的機関が東芝救済で一時的に資金を投入しても、持続的な資金の投入は不可能です。となれば、一時的に投じた資金も無駄になるだけ。素人にはなぜこれほど巨額の設備投資が継続的に、半導体事業には必要になるのかは分かりませんが、半導体では市場の占有率の低い日本企業には、ほとんど不可能ではないかと思われます。


アメリカの調査会社が発表した、最新(2016年)の半導体ランキングは以下のとおりです。

1       Intel  

2       Samsung Electronics    

3       Qualcomm       

4       Broadcom Limited       

5       SK Hynix       

6       Micron Technology      

7       Texas Instruments      

8       東芝   

9       NXP    

10      MediaTek


韓国は2位のサムスン、5の位ハイにクスの2社。サムスンは、日本政府による韓国への技術移転の要請を受け入れたシャープや東芝から無償の技術提供を受けて、日米半導体戦争下(90年代前後)で、日本の半導体メーカが輸出制限を受けていた渦中に一気に市場占有率をアップ、その後も世界市場上位を維持。ハイニクスは今も東芝からの支援を受けているものの、東芝より上位にあり。今後もこの上下関係は変わらないはず。その上東芝は、新型メモリーは韓国で製造するらしいので、この差はさらに開くのではないか。


なお6位のマイクロンは、日本のエルピーダメモリー(日立とNEC半導体事業の合併企業)の破綻後、同社を買収したアメリカの企業。また上掲10位のうち、台湾、オランダの各1社を除いた残りは全てアメリカ企業。つまり、やや意外なことには、中国で製造している企業も含むとはいえ、アメリカ企業が世界の半導体市場の過半を占めていることになります。


なお、新分野である車載半導体ランキング10位には、韓国企業は1社も登場しておらず、オランダ(1位)、ドイツ(2位)、日本(3位、9位、10位の3社)、アメリカが並んでいます。車載用半導体では、今のところ、韓国企業に技術供与する日本企業はいない模様。つまり車載分野では、日本政府による韓国への技術供与要請は行われていないということです。


以上のような市場占有率の状況からするならば、政治的な判断で東芝に公的資金を投入することは、ほとんど無意味だということです。にもかかわらず、WH社処理のために韓国の言いなりになるならば、再び失われた20年、30年という大ダメージを日本経済に与えることになるはずです。韓国の言いなりになってきたかつての歴代自民党政権の韓国奉仕の結果、半導体市場で韓国企業が独占的に市場を占有する至ったわけです。その上韓国政府は、日本の献身的な奉仕については国民には一切知らさずに隠蔽してきたという過去の経験を踏まえるならば、いかなる事情にせよ、韓国に奉仕的に関与すべきではありません。おそらく東芝の半導体の売却先も、韓国企業のライバル潰しを意図したものではないか。新型メモリーを韓国で製造するという東芝を、なぜ公的資金を投じて救済するのでしょう。なお民主党政権下では、自民党や自公政権下以上の韓国奉仕がなされています。


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2017年04月22日

生前退位をめぐって

天皇陛下の退位をめぐる有識者会議の最終報告書が発表されました。退位後の制度設計についての提言をまとめたもので、この最終報告書が出される前に政府がまとめた特例法の骨子案のような、与野党対立を招きかねない大きな問題点は含んでいないようです。安倍政権はこの最終報告書も踏まえつつ、陛下の退位実現のための法案を早期に国会に提出する意向のようですが、波乱なく法案成立に至るかどうかは、予断は許しません。


衆参両院の正副議長のもとで進められてきた国会での与野党審議を受けて、政府がまとめた特例法の骨子案に対しては、与野党合意を無視したものだとkodomo-bb3s.gifの批判が出ています。今上陛下一代限りの特例法で対応したいとする与党と、憲法の規定どおり皇室典範を改正して恒久法とすべきだとする民進党などの野党との間には、埋めがたい溝がありましたが、この溝を埋めるべく、皇室典範に退位条項を付則として書き込むことで双方が合意しました。しかし骨子案ではこれが削除された上に、今上天皇一代限りの特例法であることと明示するために、法案名の「天皇」を「天皇陛下」に変更したという。


政府の骨子案では、与野党合意を無視した内容に変えられたのは事実のようですが、骨子案を野党各会派に提示して検討を仰いでいますので、批判を受けてまとめられる最終的な政府案は、合意に近い内容に変更される可能性もゼロではありません。しかしあえて合意案を無視した骨子案を野党に示した安倍政権の姿勢からは、批判は百も承知の上であったともうかがわれますので、陛下一代限りという基本線は譲らないだろうとも思われます。目下、安倍政権は問題百出ですが、この退位をめぐる問題は今後の国のあり方に根本的な影響を及ぼす重大事ですので、国会任せにせずに、日本国民全体で考え、論議を深化させる必要があると思います。


この問題の究極の論点は、古代からつづく、世界に類のない伝統を保持する天皇制をいかにして維持していくのか、この一点にあると思います。安倍政権というよりも安倍総理が陛下一代限りの特例法にこだわるのも、この世界に稀有な伝統的な天皇制を守りたいとの一心から出たものだと思われます。加えて皇族数の減少という厳しい現実もあります。皇族数が減少する中で生前退位の制度が恒久化されるならば、天皇制そのものの消滅という事態にまで至る可能性もゼロではありません。民進党などはそれを避けるために、女性天皇制ないしは女性宮家の創設を主張しています。中でも、もっとも実現可能性の高い女性宮家の創設を、退位の制度化とセットで提案していました。


女性宮家の創設は、女性天皇をも想定したものだと思われますが、これほど重大な問題を、急を要する陛下の退位問題とからめて提案してくる民進党の軽率さにはあきれています。退位の恒久的な制度化は皇族数の減少への対策なしには成り立ちませんので、民進党も女性宮家の創設をセットで提案せざるをえなかったのでしょうが、この問題の究極の論点に立ち返るべきではないかと思います。


日本の長い歴史の中では、女性天皇が在位した時代のあったことは事実ですが、この歴史的事実を根拠に、現代においても女性天皇の誕生は日本の天皇

制の伝統を損なうものではないとの議論も根強くつづいています。四民平等の民主主義の現代においては、男性の宮様も女性の宮様も民間からお相手を選ばざるをえません。女性宮家が創設されると、お相手の夫君となられた男性も皇籍に入られ、皇族の一員となられます。仮にその女性宮様が女性天皇になられた場合、その夫君は皇后様のような立場に置かれるわけですが、皇后様のようなお役目を務めることが可能なのかどうかは非常に疑問です。


古代と現代との最大の違いは、古代ないしは明治以前には明確な身分制度があったのに対し、現代では皇族を除けば全て平民です。身分制度のもとで古代では、一部の有力貴族とはいえ、貴族と皇族の婚姻も一般的に行われていましたし、臣籍降下という皇族から臣下(貴族)に降下する例も多数あり、貴族と皇族との垣根は非常に低い。天皇と臣下という身分上の違いはあったとはいえ、日常的に交流している天皇(皇族)と貴族の世界観には、そう大きな落差はなかったものと思われます。


一方、ごく少数の皇族と平民(民間人・一般国民)以外には存在しない現代では、両者の落差は非常に大きい。しかも現代の天皇は政治の実権は持たず(世俗からは離れ)、日本国民統合の象徴というお役目を負っておられます。象徴という抽象的なことばで表現されているお役目を、実際的な行動として果たされるのは、やはり大変なことだと思われます。天皇は負担になるようなお仕事はせずに、存在するだけでいいとの極端な意見もありますが、確かに天皇には存在するだけで象徴たりうる側面もあると思います。こうした天皇の存在感は何に由来するのかといえば、憲法や法律では表現しがたい、古代からつづく天皇家の長い伝統によるものではないかと思います。


この伝統は男性皇族のみならず女性皇族方にも受け継がれていることはいうまでもないと思われますが、女性の宮様と結婚されて民間から皇籍に入られた男性が、国民の敬意を受けるべく皇族としての資質を身につけていく道筋はあるのでしょうか。その場合、夫君である民間人男性が女性皇族に従うという関係にならざるをえませんが、男女同権どころか、女性上位すら珍しくはない現代とはいえ、こうした夫婦関係が永続しうるものなのかどうか、非常に疑問を感じざるをえません。皇族という非常に特殊な世界のこととはいえ、夫である男性の意向が強く働くことになるのではないかと思います。当然のことながら、皇室の伝統に大きな変化が生じる可能性は高くなります。


女性天皇を考える場合、身分制度下にあった過去の時代と、四民平等下で一握りの皇族と平民(一般国民)しかいない現代とでは、その結果の及ぼす影響は天と地ほどの違いが生じる可能性のあることも考慮すべきだということです。皇族数の減少は、緊急に対策を考えるべき国民的課題ではありますが、陛下の退位問題に絡めて、拙速に女性天皇や女系天皇を可能にするような案を提出すべきではありません。緊急性を帯びながらも慎重に検討を重ね、安定的な皇位継承が可能となるような対策を考えるべきだと思います。また生前退位は、識者の指摘にもあるように、天皇の政治利用を招きかねない危険性をはらんでいることにも留意していただきたい。

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posted by 久本福子 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会時評

2017年04月15日

博多駅前陥没事故と歴史

昨年11月に、博多駅近くで発生した地下鉄七隈線延伸工事に伴う大陥没事故は、日本中に衝撃を与えました。その一週間後には巨大な穴が塞がったばかりか、道路の舗装まで終わり、急
ピッチで進められた復旧作業には国内はもとより、海外からも称賛の声が寄せられていました。日本人としては誇らしく思う気持ちもなくはありませんが、実はこの大事故は、近年日本で進む、日本の歴史を軽んじる風潮によって生み出されたものだといっても過言ではありません。 


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しかもこの地下鉄延伸工事に関連した陥没事故は、2000年6月中央区薬院)と2014年10月(博多区祇園町)にも発生しており、今回は3度目。今回の陥没はけた外れに巨大ですが、いずれの陥没事故も、福岡市の歴史の基本を知っていれば、陥没事故は発生していないと断言いたします。その基本とは、これらの陥没事故が発生した地域は、かつては海ないしは海岸に接していた地域であったということです。


日本各地に古地図が多数残されていますが、福岡博多にも多数の古地図が残されており、天神地域や博多周辺の現在の繁華街は、かつては海であったことが記されています。その変貌を非常に分かりやすく解説したサイト、Y氏(山田孝之)の「福岡路上遺産」 800年前、鎌倉時代の福岡市周辺の様子はどんな感じ?をご覧になると、瞬時に理解できるはずです。


貝原益軒は「筑前国続風土記(中村学園大学図書館)に、当時の福岡の地形が分かる詳細な地誌を記録していますが、福岡古地図多数webに公開されています。住吉神社がかつては海に囲まれていたのには驚きますが、上記の古地図では即座の理解は難しそうですので、現在の博多周辺の地形と比較したY氏のサイトをご覧ください。


webには今回陥没事故を起こした工事に際して参照したらしい、一体の地質の特性を記した資料も公開されていますが、その特性表記は非常に抽象的であり、工事区間一帯がかつては海であり、土壌は非常に軟弱であるとの判断を的確になしうる内容ではないと、素人ながら判断せざるをえません。天神界隈も福岡城あたりまでかつては海であったという。地下鉄七隈線延伸工事は、かつては広大な海域であった区間の、砂だらけの地底を掘削することになります。


博多に関する基礎的な歴史を知っていたならば、こんな砂だらけの軟弱な地底を掘削してまで地下鉄を延伸する必要はあるのかという、根本的な論議が起こるはずですが、論議になったのは、コストカットに適した工法をめぐるものであったという。今回の陥没事故を起こした工区で福岡市が採用したのは、最も安上がりのナトム工法という硬い地盤に適した工法であったという。高島市長はもとより、この延伸事業に関係した福岡市の職員の誰一人として、福岡市の歴史の基本すら知らなかったことを物語る選択です。福岡市の職員が企業や専門家委員にこの事実を伝えないならば、いったい誰が伝えるのですか。


専門家委員は、福岡市の地形や地質の歴史的な変遷については知らなかったようですが、地質の状態から工事の続行は危険であるとの警告を繰り返し出していたそうです。にもかかわらず、福岡市はその警告を無視して工事を続行しました。その挙句の大陥没事故です。無知とおごりが招いた大事故です。

                                                                           

しかし不思議なことには、一帯がかつては海であったという事実を指摘した記事や報道は皆無です。地元紙の西日本新聞でさえこの事実を報道していません。文化部には歴史専門の記者がいるはずなのに不思議です。おそらく20年ほど前までならば、新聞記者はもとより市の職員ならば、この程度の福岡市の歴史は、常識の範囲内で誰もが知っていたのではないかと思われます。この常識知としての歴史が我々の生活圏から消されていった結果が、今回の陥没事故を招いたことは明白です


桜づくし展

ある櫻男の物語

桜と歩んだ笹部新太郎


白鹿酒造博物館

(兵庫県西宮市)


日本の歴史、福岡の歴史は韓国が作ったという路線を突っ走る記事が、西日本新聞の大紙面から小紙面を占拠しつづけてきました。貝原益軒までもが、朝鮮通信使に教えを受けたとのねつ造極み発言までもが報じられる始末。我々日本人は、韓国人の目で日本の歴史、福岡の歴史を見ることを強制されつづけてきたわけです。こんな状況下で、いったい誰が地元の歴史をまともに学ぼう、知ろうという気持ちになるでしょうか。それどころか、福岡という地域の特殊性もあるかと思いますが、韓流歴史が我々の生活圏にまでなだれ込んできているのが実情です。


この韓流歴史は、歴史研究の進展を示す成果だとして学習指導要領の改訂にまで影響を及ぼすほどになっていますが、これは
進展ではなく、研究とも呼べない退行、退化現象以外の何物でもありません。自国の歴史を他国に蹂躙されると、いかほどの悪影響をもたらすか、博多駅陥没事故は、その例証の一つだといえるでしょう。


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posted by 久本福子 at 17:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会時評